骨質把握の重要性

青い線の部位にインプラントを入れていきます 

医科用高性能CTで骨質(骨密度)を知っておくとどういう利点があるのでしょうか? 
例えば、下顎の奥歯にインプラントを入れる場合です。上の写真の青い線の部位にインプラントを入れていきます。

下顎の骨の中には、「下歯槽神経」といわれる神経や血管が通っています。
当然、この神経を傷つけてはいけません。
その為に、顎骨の頂点から神経までの距離を正確に知っておく事は大切なのですが、
実は、もう一つの大切な情報が『骨質』(骨密度)なのです。

ここでは、手術の前にあらかじめ骨質を知っておくと、何が良いのかを理解できます。
昔、長いインプラントの方が良いと言われていた時代もありました。今でもそう信じている方も多いです。それはただ長いほうがインプラントと骨の接触している面積が広くなるからという理由です。でも長ければ長いほどいいかというと、長いインプラントは、下歯槽神経を傷つけるリスクが高まります。

下顎奥歯のインプラント長いインプラント少し短いインプラント

下顎奥歯のインプラントは、長いインプラントか? 少し短いインプラントが良いか?

安全性が第一ですが、もう一つ、大切なのはインプラントの長さでなく、
そのインプラントが、いかに骨質の良い骨に支持されているかという事なのです。
では、どの長さが良いのか?一概には言えません。それは、その人によって、その顎の状態によって変わるからです。

CTを撮影し、SimPlantで解析すれば、それが分かります。
SimPlant Proで顎骨の断面画像を精査すれば、顎骨のサイズや骨質から判断できます。


下顎の骨左が、下顎の骨です。(クリックで拡大表示になります)
楕円形の白い部分は、インプラントを入れたい部分の顎骨の断面画像です。
顎の中を通る神経の断面はオレンジ色に染めています。
顎骨の周りのグレーは肉の組織で、左下の黒い部分は、顎の外の空気です。 

13mmの長いインプラントのシュミレーション13mmの長いインプラントのシュミレーション

13mmの長いインプラントのシュミレーションです。
インプラントの下の部分は、ギリギリ神経を傷つけてはいません。でも少しの誤差があったらどうなる?というような、ひやひやする手術ですね。でも果たして、こんな危険な手術をこなす歯科医師がすばらしいと言えるのでしょうか?

10mmの短いインプラントのシュミレーション10mmの短いインプラントのシュミレーション

これは10mmの短いインプラントのシュミレーションです。
インプラントの下の部分は、神経と十分な距離があります。
さらに奥まで入りそうですが・・・
よく調べてみましょう!

インプラントの適切な長さを決める為に、骨質(HU値)を調べてみましょう。
(HU値は、骨の硬さ(骨質)の診断に使われます。)
ここでは、画像中の“Mean”という数字を見て下さい。それがHU値です。
HUCT値)の分類はこちら>>
“Mean”(HU値 )が大きいところにインプラントが埋まれば、インプラントは、より安定するとお考え下さい。

“Mean”という数字 HU値

顎骨の断面画像の左側、黄色い〇に囲まれた部分の骨の硬さ(HU値)は、1248です。
1000HUを超える骨は、非常に硬い骨です。
さて次に、この下のSimPlant画像では、インプラントを埋めたい部分の骨を見てみます。

clip_17.gif

インプラントが埋まる予定のところの円内の面積と、骨質を調べてみましょう。
インプラントを埋めたい部分の骨 

インプラントを埋める為のドリルを最初に当てる部分は796HUという値です。
これで、ドリル使用時の感触はホワイトパイン材程度、硬さは、10段階評価で7の骨強度で、インプラントを埋める骨としては合格です。
分類上D2からD3で、皮質骨と骨梁の粗な海綿骨が歯槽頂に層を形成している状態という事がわかります。
 
写真のオレンジに染めた神経の上の部分は、もし13mmのインプラントを埋めるとしたら、インプラントの先端がくるところです。
242HUという数字は,かなり柔らかい骨ということをあらわしています。
大部分が骨梁の細い海綿骨で、ドリル使用時の感触は発砲スチロールです 。

右下の、骨の外の肉(筋肉付近)のHU値は64HUです。ちなみに“水”のHU値は0HU(ゼロ)です。脂肪組織は、マイナスの値になります。

ここで重要なのは、インプラントの長さでなく、そのインプラントが、いかに骨質の良い骨に支持されているかという事です。CT撮影し、SimPlant Proという画像診断ソフトで診査、診断し、インプラント手術シュミレーションをしてから、それを踏まえた上で、実際の手術を行ったほうが良いという事が理解できると思います。

さらに、インプラント周囲の骨の硬さもシュミレーションすると・・・
ドリルが何ミリの深さまで抵抗がある事や急に抵抗がなくなる事等が分かります。

インプラント周囲の骨の硬さをシュミレーション


上の写真は、インプラントを埋める骨頂上から神経に向かって骨質を調べています。すると
骨質を調べる 
骨頂から10ミリのところから急激に骨が柔らかくなることがわかります。13ミリのところは、もはや骨密度としては不適格なD4にも及びません。

 

 

下は10ミリのインプラントを入れた場合のインプラント周囲の骨質です。

10ミリのインプラントを入れた場合のインプラント周囲の骨質

インプラント周囲の骨の硬さの平均は、569HUです。
短いインプラント(10mm)の場合は、ちょうど10mm付近で急に抵抗が無くなる事が、あらかじめ分かります。術前にこの情報があるので、ドリルを9mm程進めたところで、骨は、急に柔らかくなるので、必要以上に突き抜けないように細心の注意を払うという準備が出来ます。

事前の情報が無ければ、神経損傷のリスクもあるかも知れません。
今度は、もし長い13ミリのインプラントを入れたら・・・というシュミレーションです。

長い13ミリのインプラントの場合のシュミレーション

インプラント周囲の骨の硬さの平均は、463です。短いインプラントより、HU値の数字が減っています。骨のないところにインプラントが入っているので、平均値が下がるのです。
これで、インプラントの長さが、長ければ良いとは言えない理由が分かりましたね。

長いインプラント(13mm)の場合は、10mm付近以降は、インプラントを支える役目を持った骨が無い事が分かります。また、抵抗の無いまま、神経に向かってドリルが進む心配があります。つまり、リスク(危険度)はある。しかし、リスクを犯した割には利点が無い事が分かります。
このケースでは、10mm以上の長さのインプラントを入れない方が良いという事がわかりました。これは、CTを撮って、SimPlant Proでインプラント診断をしたからこそ分かる情報なのです。歯科用レントゲンでは、分からない情報です。

SimPlant Proの診断のすばらしさをわかって頂けましたか?

CT撮影からSimplant Proを使った説明までの手順を説明します 。

まず、治療がある程度進んだ段階でCTを撮影します。

ふじた歯科では高性能歯科用CT ファインキューブを導入しております。いつでも必要な時にCTを撮影することが可能です。歯科用高性能CT ファイインキューブは正確なCT値を出すことはできませんが、類似プロファイル値を表現することができますので上記の診査が理解できます。より安全な治療が期待できます。

当院の高性能歯科用CTファインキューブが素晴らしいのは、医科用のCTに比べ被ばく線量が極端に少ないことです。

医科用CTの10分の1の被ばく線量で済みますし、小さい歯科用フィルムの4枚分の量でしかありません。

安心してCT撮影を受けてください。


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